妻沼町瑞林寺五輪塔


(2003年10月13日撮影)
埼玉県妻沼町妻沼の曹洞宗寺院瑞林寺にある凝灰岩製五輪塔。空風輪を欠く(空輪は後補であろう)。
寺伝では、貞和4年(1348)5月23日に没したと伝えられる瑞林寺開基大河内孫十郎政信(法名瑞光院殿来阿大禅定門)の供養塔とされる。
鎌倉期の五輪塔にも見えるが、この地方は凝灰岩の産地である天神山が近いことから、南北朝期に入っても凝灰岩製の石塔が見ることが出来(例えば栃木県足利市光得寺の康永2年銘五輪塔など)、それほど疑問視することもないのかもしれない。
もっとも大河内政信に関しては、瑞林寺は江戸時代に大河内金兵衛の陣屋であったとされ、由緒を求めた可能性もある気がする。
瑞林寺は当初天台宗寺院として創建されたというが、慶長年間(1596〜1615)に太田市恵林寺五世大庵文恕大和尚が曹洞宗として再興したと言う。
他にも正嘉2年(1258)・文永8年(1271)8月8日銘の板碑などがあり、すぐ近くの聖天宮に隠れて余り知られてはいませんが、意外と穴場だったりします(笑)。