建武政権期の国史と守護

弘長2年(1262)4月24日、足利頼氏、23歳にて没

 吉井功兒著「建武政権期の国史と守護」(近代文藝社)という本を最近図書館で借りたのですが、正直言って驚きました。タイトル通り建武政権期の足利・新田氏を中心とした内容なのですが、鎌倉後期の両氏にも話が及んでいて、まるで当サイトの内容がこの本を読んでから書いた、と見まがうばかりなんですね。発行されたのが1993年なので大分経つのですが、今まで全く気づかなかった自分の不明に恥じるだけです。兎に角、鎌倉後期〜南北朝期の足利・新田両氏に関して、最近の説を踏襲しながらまとめている貴重な本なので、是非一読されることをお勧めします。「光明寺残編」に登場する「足利宮内大輔」は、以前は佐藤進一説に従って「前治部大輔高氏」(足利高氏)だと思われていたのを、吉良貞家だとするなど、全く知らなかった説を載せていたり、足利義氏の美作守護補任説など、全く知りませんでした。
 残念なのは、どうも既に絶版扱いになってるようだ、ということでしょうか。