仏教の史料

1367(貞治6年)4月26日 鎌倉公方足利基氏、28歳で没。

 最近、足利氏と仏教の関係を調べるために、仏教関連資料を調べることが多くなっているのですが、結構意外な関係や史料が出てくることがあります。
 先日、「樺崎寺」「鑁阿寺」の開山として、足利義兼と関連の深い「理真朗安」を調べるために、「真言宗全書」に収録している「血脈類集記」という史料を調べていると、足利泰氏の子で伊豆密厳院の別当となっている「覚玄」「覚海」が出てくる所までは想像がついたのですが、「蓮阿」つまり足利家氏の名を確認したときには驚きました。文永6年11月に付法されているのですが、この時点での家氏の生存、及び出家していることが確認出来る訳です。
 その一生について、伝承を除くと従来は吾妻鏡に書いてあることくらいしか知られていなかったので、貴重な資料だと言えます。