『人物叢書 金沢貞顕』

先日ネットの通販で購入した、永井晋『人物叢書 金沢貞顕』(吉川弘文館)を読了いたしました。ネットで注文しても暫く届かず「もしや売り切れか?」と心配したのですが、5日以上経ってようやく手に届きました。

永井さんは「金沢文庫」の学芸員であり、北条氏研究会の一員であるので、「金沢貞顕」の伝記はまさに本領発揮だったのではないでしょうか。

さて、内容は永井さんの以前の著作である『鎌倉幕府の転換点』(NHKブックス)ほどの衝撃はありませんでしたが、最新の研究を踏まえた上で金沢貞顕という人物を描き出しております。
金沢貞顕という人物が鎌倉幕府末期の政治史に於いて重要な人物であるということのみならず、足利貞氏正室「釈迦堂殿」の兄妹(永井さんは兄妹とされているようですが、姉弟の可能性もあると思います)でもあることから、鎌倉時代足利氏を研究する上で看過出来ない人物でもあります。

政治家としての道を歩みながら、最後は鎌倉武士として死んでいった。そんな金沢貞顕という人物を知るためには、まさに最良の一冊と言えるのではないでしょうか。